2009.07.13マンションリフォーム2
前回、築10年のマンションをリフォームしたお話しをしましたが、今日はその続きです。
リフォームの良いところは、間取りや空間を自分好みに出来ることはもちろんですが、家具や照明までトータルでデザインすることによって、統一感のあるバランスの取れたコーディネートが出来ることです。特に家具はその用途に応じて、デザインはもちろんですが、必要な機能を盛り込んだ、ピッタリのサイズの家具を、一つ一つ設計することによって、「そこに有るべくして有る」が如き家具を設置することが出来ます。
今回もTVボードからカップボード、飾り棚、多機能キッチン収納棚まで全てデザインさせてもらいました。(写真)LDの家具にはシックでありながら内側には真っ白な化粧板を使って、コントラストを生かした、少し派手さも兼ね備えた家具をデザインしました。しかも最下部には間接照明を組み込み、写真だと判りづらいですが、まるで浮いているかの如く軽やかさを演出しました。一方、キッチンの多機能収納棚は既存キッチン廻りの色遣いに合わせた面材を利用して、もとから有ったかのように、空間に馴染ませた上で、上下スライディング扉とスライディングトレーを組み合わせることによって、家電類も使わない時には全て隠しておけますし、開け放して使っても扉は邪魔になりません。もちろんコンセントや蒸気抜きのスリットも中に仕込んであります!
空間的には、もともとの間取りは、キッチンもクローズドな部屋だったし、ダイニングはただのベッドルームだったのですが、壁を取り払い、床を貼り替え、キッチンとの間の壁にはガラスコーナーを組み込むことによって、匂いや煙を分離しつつも、視覚的にはオープンなダイニングキッチンとして生まれ変わりました。(写真2)
リフォームで逆に難しいところは、既存仕上げと新しい仕上げを合わせる所にあります。今回ダイニングとキッチンは床フローリングをリビングに合わせて張り替えたのですが、10年前のマンションなので、同じ製品は存在しません。(メーカー自体が無くなっていました。。)少しでも近い物を探すべく、10以上のメーカーショールームを廻り、70種類以上のサンプルをチェックして、やっと選んだ物です。その苦労は報われて、クライアントと僕以外、言わない限り誰も気づきません。
そんな苦労もあった今回のリフォームですが、クライアントもとても気に入ってくれている様です。ホームパーティも幾度となく開かれていて、皆さん誉めてくれている様なのですが、誰か新たな仕事のリクエストしてくれないかな~(笑)